評価鑑定について

保険の対象となる財物に関して、保険価額の評価を行う仕事です。
なぜ評価鑑定が必要になるかといえば、適正な保険金額を設定するにあたり保険価額の算出が難しい物件があるからです。難しいとされる物件は企業系が多く、各種の工場やプラント施設、大型商業施設、病院、神社仏閣等が挙げられますが、損害保険会社の営業部門から依頼を受けて取り組んでいます。

(参考)
保険価額の評価基準には「新価基準(=再取得基準)」と「時価基準」があります。
「新価基準」は、保険対象と同等品を再取得(再調達)するために必要な金額を基準とした評価額方式で、例えば建物なら同一の場所・構造・用途・規模・質・仕様で新築するための標準的な工事費を、機械装置類ならば同一の種類・用途・構造・型式・仕様・性能等の品目を取得するための市況価格(本体価格の他、各種付属品、運搬費、据付費、試運転費等を含む)を目安にします。

「新価基準」の保険において、保険価額満額で保険金額を設定しておけば、全損・分損いずれのケースにおいても自己負担無く原状復旧が可能となります。(免責金額の設定なしの場合)

「時価基準」は、新価基準の評価額から使用損耗および年代等に応ずる減価額を控除した残額での評価額方式です。 したがって「時価基準」の保険ではたとえ保険価額満額で保険金額を設定しても、全損時に同等品の再取得を保険金でまかなうことは出来ず、修理するために実際に必要とする費用についても経年減価分が控除されるケースが出てきます。

ちなみに現在は「新価基準」且つ「実損払い」の保険が主流となっており、「時価基準」の保険についてはごく一部に限定されています。